閉経後の女性の約5割が骨粗しょう症の検査を受けたことがないことがファイザーの調査で明らかになった。「必要性を感じない」「症状がない」というのが検査を受けていない主な理由で、初期段階では痛みや自覚症状が少ないことから専門家は早期発見・治療を勧めている。
骨粗しょう症は、閉経後の女性がエストロゲンの減少によってなりやすく、患者の8割を占めるといわれている。調査は、罹患(りかん)するリスクが増す閉経前後の女性の疾患への意識や実態を分析するために実施。30歳以上の閉経前の女性500人と、閉経後で骨粗しょう症を治療中の女性250人、治療中ではない女性250人の計1000人を対象に9月25、26日にインターネットで行った。
閉経後の女性で現在治療中ではない女性に「これまでに骨粗しょう症の検査を受けたことがありますか」と聞いたところ、「受けたことがない」という回答が48.0%で最も多く、受けたことがある人では「2年以内に受けた」が22.0%、「5年以内に受けた」が14.8%、「それ以上前に受けた」が15.2%だった。理由は「必要性を感じなかったから」という回答が最も多く47.5%で、「気になる症状がなかったから」が39.2%で続いた。
「早い段階からの治療が必要な疾患であることを知っているか」との質問では「知っている」と回答したのは骨粗しょう症を治療中の人は54.0%だったのに対し、閉経前の人は16.2%、閉経後非治療中の人は23.7%だった。また、「骨折を予防できる治療薬がある」ということを知っている人は治療中の人で62.0%、閉経前では10.3%、閉経後非治療中の人では18.8%だった。
日本骨粗鬆症(こつそしょうしょう)学会の太田博明理事長は、「骨粗しょう症は、早期発見、早期治療が非常に大切。そのために、少なくとも閉経後の女性は、毎年1回骨検診を受けることをお勧めしています」と話し、「まず一人一人が骨粗しょう症についての正しい知識を持ち、発症と進展の予防のために早期発見、早期治療を心がける意識を持つことが不可欠です」とコメントしている。(毎日新聞デジタル)
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