映画の製作・配給会社「東映」の創設者で、新潟市西蒲区(旧中之口村)出身の大川博(1896~1971)を顕彰する「中ノ口川映画祭2012」が27日と11月3日の両日、同区の中之口地区公民館で開かれる。没後40周年で開かれた昨年に続いて2回目。
東急専務だった大川は昭和26年、経営難に陥っていた東京映画配給社長になり、商号を東映に変更して初代社長に就任。徹底した予算管理で経営を立て直し、プロデューサーを務めた「ひめゆりの塔」(昭和28年)のヒット、GHQの検閲廃止後に復活した時代劇が看板となり、日本を代表する映画会社に育てた。日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)会長、プロ野球「東映フライヤーズ」オーナーを兼任。ワンマンとしても知られ、実業界の名物男だった。
映画祭実行委メンバーで、同公民館の近藤敬館長は「偉大な先人も没後40年が過ぎ、忘れられようとしている。もう一度、郷土の偉人を思い出すきっかけとし、映画を通して地域の芸術文化の振興を図りたい」と、映画祭の意義を強調する。
初日は昨年封切られた子供向けアニメ「フレンズ もののけ島のナキ」(上映開始午前10時)と藤沢周平原作の「小川の辺」(平成23年、同午後1時)、県内でロケをした宮尾登美子原作の「蔵」(同7年、同午後3時半)の3本を上映。幅広い年齢層に受け入れられる作品が並んだ。大人前売り1本200円(当日300円)、子供は前売り・当日とも100円。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/121025/ngt12102520000002-n1.htm