はしかや水ぼうそう、おたふく風邪など、一般的には子どもがかかるとされる病気。しかし、一度も経験していない場合は大人もかかるおそれがあり、これらの病気は大人が発病すると子どもの何倍も大変だとよく聞く。それはなぜなのだろうか? 小児科医の澤田雅子先生に聞いてみた。
「確かにそれらの病気は、子どもよりも大人の方が重症化することが多く、入院を勧める場合もあります。しかし最大の理由は、たいていの場合大人はちゃんと病気の治療をしない、ということにあるんです。子どもの場合は親が世話をしたり、病院に連れていったりしますが、大人はなかなかそうもいきません。仕事が休めなくて病院に行けなかったり、周囲に体が弱いと思われたくなくて薬を飲まない人もたくさんいるんです」
その結果、病気をこじらせて重い合併症を引き起こしてしまう可能性もある。入院を勧めるのは、感染症を防ぐ隔離目的だけではなく、強制的に休ませる意図があるのだそう。症状の重さもさることながら、しっかりと自宅で休む子どもに比べて入院や病気が長引いている様子から、“大人がかかると大変”という説が生まれたともいえそうだ。
では、上記とは別の理由で“大人になったからこそ注意すべき子どもの病気”はありますか?
「大人の男性はおたふく風邪、女性はりんご病と風疹に注意すべきです。これらの感染症は、生殖機能にかかわる合併症を引き起こします。成人男性の場合は睾丸炎になり子どもが作れなくなる可能性がありますし、妊娠中の女性の場合、胎児に悪影響を及ぼして流産の危険性が高まります。感染症ごとに併発する合併症は決まっていて、その病原体が好む部位で発症する傾向がありますね」
なるほど。恐ろしいのはその病気のみならず、合併症ということか。体調を崩しやすくなるこの季節、油断していると思わぬ落とし穴が待っているかもしれない。
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