国の文化審議会は21日、長岡市摂田屋の「越(こし)のむらさき主屋(しゅおく)」や「星野本店三階蔵」など、同市内の5件を国の登録有形文化財(建造物)とするよう平野文部科学相に答申した。県内の登録有形文化財(建造物)は合わせて376件となる。
越のむらさき主屋は、1877年頃に建築されたしょうゆ醸造会社の店舗兼事務所。木造一部2階で建築面積127平方メートル。切妻造妻入の桟瓦葺(さんかわらぶき)で、長岡地域で伝わる低く頑丈な造りをしている。同社は江戸時代の1831(天保2)年からしょうゆの醸造を続けている。
星野本店三階蔵は、1882年に建てられたしょうゆとみその醸造会社の土蔵。建築面積は約59平方メートル。大正時代に3階部分を増築し、2008年に改修された。現在は見学者の応接スペースとなっている。外壁はしっくい塗りで、屋根部分が三角に組まれたトラス構造が目を引く。
このほかの3件は、いずれも同所の越のむらさき土蔵、長谷川酒造主屋、星六土蔵。全て現在も使われており、みそや酒など、醸造業が盛んな地域の歴史を伝えている。「国土の歴史的景観に貢献している」と評価された。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20120921-OYT8T01598.htm