節電のために蛍光灯や白熱灯を省エネ性能が高く、長寿命であるLED照明に切り替える家庭が増えているが、装着時に火災など事故につながるケースもあるため、行政や業界団体が消費者に注意を呼びかけている。
事故につながるケースがあるのは、家庭では台所などに使用されることが多い直管形蛍光灯を同じ形の直管形LEDランプに取り換えるとき。蛍光灯器具はさまざまな種類がある。そもそも、直管形LEDランプは既存の蛍光灯照明器具が本来想定していた適合ランプではない。種類によってはLEDランプに取り換えるときに器具の改造が必要なケースがあるが、改造せずそのまま取り付けると事故につながる場合もある。
経済産業省の外郭団体で電気製品の安全評価などを行っている製品評価技術基盤機構製品安全センターがまとめた照明器具の事故は、平成19~23年度の5年間で492件。このうちLED照明の事故は22件とまだ少ないが、LED照明の普及とともに増加も予想される。
同センターの川野和弘技術業務課長は、「スイッチを入れたら発煙したケースがある。ランプが輸入品で包装箱に英語で『照明器具の安定器を取り外してから使用する』と注意表示はあったが、日本語の注意表示はなく、そのまま取り付けたためだ」と話す。
日本電球工業会などは、既存の蛍光灯器具に取り付けられないように直管形LEDランプの口金をL形ピンにして、専用ソケットを必要にした新規格を制定している。ただ、従来の蛍光灯と口金の形状が同じものも多いため、器具の改造が必要な場合も、改造しなくても取り付けることができるので要注意だ。
器具によっては、改造不要でLEDランプを取り付けることができる場合もあるので、消費者が判断するのは難しい。自分で判断できない場合は、費用はかかるが、専門業者に取り付けを依頼したり、ランプだけでなく、照明器具もLED用に買い替えることも考えたい。
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