猛暑が続く中、動物病院にペットが熱中症の症状で運び込まれるケースが相次いでいる。
節電のためクーラーを止めた室内で体調を崩す犬や猫が多い。こうした状況を受け、ペット専用の保冷グッズの売れ行きが好調で、品切れになる商品も。今年は9月に入っても厳しい残暑が続く見通しで、専門家は「ペットの体調管理も忘れないで」と呼びかけている。
夜間診療専門の福岡夜間救急動物病院(福岡市博多区)には今年6月以降、6匹の犬が熱中症とみられると診断され、死んだ犬もいた。外出していた飼い主が帰宅後にクーラーの止まった室内でぐったりしているペットに気付いて駆け込むケースが目立つ。
ほかの一般動物病院でも熱中症と診断される犬や猫が多く、林英幸院長(37)は「9月末までは油断できない」と話す。
福岡県獣医師会によると、ペットとの同居が可能なマンションの増加に伴い、室内で飼う小型犬や猫の熱中症が増えているとみられる。直射日光が入る場所や動きにくい小さなケージの中が特に危険で、熱中症になると口を開けて呼吸が乱れたり、呼びかけに反応しなくなったりする。応急措置はぬれタオルやシャワーの水で体温を下げることだ。
同医師会の草場治雄副会長(62)は「動物は発汗による体温調節ができず、暑さに弱い。節電も大切だが、適切な温度管理は不可欠だ」と訴える。
一方、ペットショップでは保冷グッズが例年以上に売れている。「オーパ東那珂店」(福岡市博多区)では保冷剤入りのマットや犬用シャーベット、温度調節機能付きの夏服など様々な商品を販売。ペット用扇風機など一時売り切れ状態となったグッズもあった。野口綾奈店長は「グッズをうまく使い、エコにこの夏を乗り切ってほしい」と呼びかけている。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20120825-567-OYT1T00554.html