[ カテゴリー:生活 ]

最小の労力で最大限効果を出す「節電メソッド」

震災の影響などを受け、電気料金の値上げラッシュが始まった。まずは7月1日から始まった「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度」。従来の「太陽光発電の余剰電力買い取り制度」とあわせて家庭の電気料金に上乗せされる月間負担額は、標準家庭(使用量300キロワット/時)で全国平均87円増となった。

加えて東京電力では、燃料価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」に基づき、7月までの3カ月間の電気料金が毎月値上がりしている。さらに8月以降、平均10.28%の値上げを申請中だ(※雑誌掲載当時)。4人家族で試算すると(契約50アンペア、使用電力量450ワットと仮定)月1237円程度の値上がりとなる。

節電への関心は一層高まっているが、手間隙かけても効果の低い方法もある。効果の高い節電を心がければ、比較的少ない労力でも節電でき、値上げ分の回収も不可能ではない。

まず、毎月家庭に届く請求書を片手に、電気料金の仕組みを理解することから始めよう。電気料金は、契約の大きさに応じて毎月定額で発生する「基本料金」と、使用電力量に応じた「電力量料金」の2つから成る。後者は使用量の増加に伴い料金単価が上がる3段階料金制度で、使うほどに料金は高くなる。

電気料金を安くする第一のポイントは、契約アンペアを下げて基本料金を減らすことだ。10アンペア下げると月273円、年間で3276円安くなるので、家族構成を考えて無理のない範囲で下げる価値は大きい。消費電力の大きい家電を同時に使うとブレーカーが落ちるため、節電意識が自ずと生まれるメリットもある。電力会社に電話で予約し、立ち会いのもと10分程度の工事で完了する(通常無料)。

第二のポイントは、電力量料金を第2段階料金までにとどめることだ。今回の値上げ申請でこの電力量料金単価が引き上げられるが、第1段階料金の値上げ率は7.2%、2段は12.5%、3段は22.5%と、累進課税と同じように段階が上がるほど値上がり率が高くなる。

3段料金(月300キロワット/時以上)までいくことを防ぐためには、消費電力が大きく長時間使う電気製品をリストアップし、電気料金のうち大きな割合を占める家電に的を絞って節電することだ。一般的には、エアコン、冷蔵庫、テレビが家庭の電気料金のほぼ半分を占めるので、特に夏季はこれらの家電の使い方や利用時間に気をつけると効果が高くなる。

エアコンは消費電力が大きく、家庭の電気料金の4分の1に当たる。エアコンは立ち上がり時に最も電力を使うが、温度が安定しだすとそれほど電力はかからない点にも留意したい。小まめにスイッチを切ったり、最初に低温に設定して涼しくなってから上げたりすると逆に電力がかかる。立ち上げ時から設定温度を28度程度に保ち、自動清掃機能がついていない機種の場合は月2回程度フィルター清掃を行うと、夏の4カ月間だけで約1120円の節電効果がある。扇風機の電力は一晩中使っても5~6円程度。上手に併用するのがおすすめだ。

電源を切ることが難しい冷蔵庫だが、上に物を置かない、壁から離して設置する、設定温度を「強」から「中」に変えるだけでも、年間の電気料金は約3960円も安くなる。

テレビをついつけっぱなしにしてしまう家庭もあるかもしれないが、見ないときはなるべく消す習慣をつけることだ。42インチ型のプラズマテレビをつける時間を1日1時間減らすと年間で約1240円の節約になる。また、電気料金の約6%を占める待機時消費電力にも要注意。夏には不要の温水洗浄便座のヒーターやガス給湯器のスイッチ、使っていないAV機器の主電源などを切ることも年間では大きな節約につながる。

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_6987.html

 

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