赤ちゃんを出産直後に母親が抱っこする「カンガルーケア」について、日本周産期・新生児医学会は、呼び方を「早期母子接触」に変えるとの案をまとめた。事故も起きており、「安全」とのイメージをふっしょくするためだ。ケア中は赤ちゃんに異常がないか、医療者がモニターなどで観察し、リスクも事前に説明、同意を得ることも、お産現場に提案していく。
カンガルーケアは国内では1990年代、母子関係を深めるために、早産などで新生児集中治療室(NICU)に入院中の赤ちゃんで始まった。最近は、早産でなくても、出産直後の赤ちゃんに広まった。ただ、生まれた直後は体調が急変しやすく、ケアの有無にかかわらず、脳障害や死亡につながることもある。
国立成育医療研究センターの久保隆彦さんらの調査(2010年)では、お産ができる全国585施設の6割がケアを行い、21件の急変例が報告された。急変を早期発見できるよう、赤ちゃんの酸素濃度などを観察している施設は半数以下だった。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2012081205610.html