東京電力福島第1原発事故による警戒区域が解除され、避難指示解除準備区域となった福島県楢葉町に10日、町外で避難生活を送る住民が朝早くから戻り、自宅やお墓の掃除に汗を流した。震災から1年5カ月。道路は亀裂が入ったままで、家々は荒れていた。
福島第2原発がある楢葉町が5月に行った住民アンケートでは、警戒区域の解除について賛否は半々となった。避難指示解除準備区域への立ち入りは自由にできるが寝泊まりはできない。電気や水道も途絶えたまま。お盆を前に墓地では住民が防護服を着て墓石を拭いたり花を生けたりした。倒れたままの墓石も少なくなかった。
家電販売店を営んでいた坂本拓夫さん(65)は、ソファや衣類をトラックに積み込み、「あれほど来たかったのに、現実を見せられると逆に来たくなくなってしまう」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120810/trd12081023010020-n1.htm