東京電力柏崎刈羽原発再稼働の是非を巡り住民投票の実施を目指す市民団体「みんなで決める会」。住民投票条例制定を直接請求するための署名集めの期間は残り半月余だが、署名数は伸び悩んでいる。今月1日現在で署名数は約1万5000人。条例制定請求には署名開始の6月23日から今月22日までの2カ月間で、県内有権者数の50分の1にあたる約4万人の署名を集める必要があり、厳しい状況が続く。福島第1原発事故後、全国では東京都、大阪市、静岡県で同様の署名活動が行われ、いずれも必要数を上回る署名が集まった。
みんなで決める会の橋本桂子共同代表(39)は署名が伸び悩む現状について「県民の原発問題に対する関心をもっと高めていきたい。署名活動の周知不足と、人繰りや資金面が大きな課題」と分析する。署名を集めることのできる「受任者」の登録数も約3000人にとどまっている。
東京や大阪では、市民団体が昨年6月に発足し、約半年間の準備期間を経た上で、俳優の山本太郎さんや漫画家のちばてつやさんら著名人が請求代表者に名を連ねた。静岡でも、鈴木望・前磐田市長が市民団体の代表を務め、名古屋市の河村たかし市長が応援に駆けつけるなどして、署名運動の認知を図っていた。
同会でも今後、著名人を招いたイベントを企画したり、署名を集める受任者同士の交流会を開くなどして、機運を高めていく。
資金や人的資源の不足も深刻。活動には県内各地から署名簿を集めるための郵送費や事務局の光熱費、街頭署名をするための道路占有料など活動資金が欠かせないが、既に会員の持ち出しで赤字を埋めている状態という。
また政党や労組、市民団体などの既存組織を支持母体に持たないため、街頭署名に立つ人員すら確保が難しい状況だ。請求代表者で村上市の農業、斎藤竹規さん(34)は「県内は広いので会合を開くだけでも集まるのに一苦労。地方から出てくれば、ガソリン代や高速代もかさみ、時間もかかる」と苦しい事情を打ち明けた。
署名活動については同会のサイト(http://ng311.info/)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120807-00000072-mailo-l15