生活保護制度の改革について考えるフォーラムが4日、新潟市の市総合福祉会館で開かれた。有名タレントの母親が生活保護を受給していたことが問題視され、不正受給の抑制強化など制度見直しがされていることを受け、福祉事務所のケースワーカー(CW)らで作る「にいがた公的扶助研究会」が主催。約40人が参加した。
基調講演として、帝京平成大の池谷秀登教授が、生活保護を巡る社会情勢の変化や、政府や自民党が行っている制度見直しについて解説した。池谷教授は、一部の政治家らが受給者増の原因を働く意欲がない人が増えたとしていることに対し、受給者は不景気や失業率の悪化に伴って増えていることを指摘。「受給者の増加は雇用の問題で、個人の責任ではない。生活保護以外の社会保障を充実させるなど、社会問題としてとらえないと解決できない」と話した。
パネルディスカッションでは、県弁護士会の大沢理尋弁護士や、長岡市職員で元CWの赤松広隆さんらが参加。大沢弁護士は保護費の削減を目的とした自民党などの改革案を「財政だけで、生存権などの人権意識がない」と批判。赤松さんは「担当する受給世帯が増えてCWの負担が重く、一人一人に十分な自立支援ができない」と訴え、CWの増員を求めた。
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