消費者庁の「食品表示一元化検討会」(座長=池戸重信・宮城大特任教授、委員15人)は3日、加工食品に対し、原則として栄養表示を義務付けることなどを柱とした最終報告書をまとめた。消費者庁はこれを元に、現在三つに分かれている食品表示関連の法律を一元化し、来年の通常国会に新たに「食品表示法案」(仮称)として提出する方針だ。
食品表示のルールは現在、日本農林規格(JAS)法、食品衛生法、健康増進法の三つに分散しており、分かりにくさが指摘される。検討会は昨年9月から一元化のあり方について検討を重ねてきた。
最終報告書は(1)新法の施行後5年以内に加工食品を対象に栄養表示を義務付ける(2)文字を大きくするなど見やすい表示にする(3)アレルギー物質の表示を充実させる――などを盛り込んだ。
一方、焦点の一つだった加工食品への原料原産地表示の義務付けについては「原料の調達先が多様化するなか、対応が難しい」などの意見が多く、合意できなかった。また、遺伝子組み換え作物の表示についてはほとんど議論されず、今後の検討課題となった。
検討会の議論は、消費者の知る権利よりも、実現の可能性や対応にあたってのコスト増などを重視。表示内容については、項目を増やすことより、安全性にかかわる重要な項目の表示を充実させることが優先された。
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