46人が死傷した関越道の高速ツアーバス事故を受けて、今月末の高速ツアーバス業界の制度改正を進めている国土交通省は、新制度ではバス会社を手配する仲介や下請けを全面的に禁止する方針を固めた。さらに旅行会社も高速路線バス事業者として組み入れ、貸し切りバス会社との運行委託契約について同省の許可を取らせる。同事故で、ツアーを企画した旅行会社と運行したバス会社の間に複数の仲介業者が介在し、安全管理上問題があったための措置で、違反したバス業者は道路運送法に基づき最低1年間の高速バスの業務停止など行政処分も科す。
同省のこれまでの調査などで、今回の事故以外にも仲介業者が介在することや、旅行会社がバス業者の実態を把握していないケースが目立ち、同省は運行の管理責任があいまいになっていると判断した。
新制度では旅行業者も「高速路線バス」事業者として許可を取らせ、同省の管理下に置くとしている。その上で、高速路線バス会社が貸し切りバス業者に運行を委託する際、同省の許可がないと委託契約を結べないとする。さらに許可要件に「受託者から第三者への再委託の禁止」を明記し、仲介業者への依頼や下請け業者への依頼を全面禁止する。このほか、安全管理を徹底するため▽運行を委託したバス会社が委託先の営業所を年1回以上、訪問して調査すること▽重大な法令違反のあったバス会社への委託は認めない--などの規定も盛り込む。
同事故では仲介業者が2社関与し、事故を起こした千葉県印西市のバス会社「陸援隊」=6月22日事業許可取り消し=が2万円を仲介手数料として引かれて15万円で受託していたことが分かっている。
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