スーパーの店頭で、にぎやかに陳列される夏野菜を見て、いよいよ夏が目前であることを実感するこの季節。節電ムードの今夏は、暑さから逃れようとするよりも、いっそ夏らしさをたっぷり満喫してしまうのがいいかもしれない。
ところで、夏野菜って一体どのようなものか? 調べてみると、要は夏場に収穫される野菜の総称で、キュウリやナス、トウモロコシ、トマト、ピーマン…などが代表的。ここで、「夏野菜は、やっぱり夏に食べるのが健康にもいいんですよ」と語るのは、『なるほど!食の新常識』(トランスワールドジャパン)の著者で、日本ホリスティックセラピストアカデミー校長の加藤雅俊先生だ。
「夏に獲れる野菜や果物には、カリウムが多く含まれているのが特徴。カリウムには利尿作用がありますから、熱を排出して体温を下げてくれる効果があるんです。最近では温室栽培などで季節を問わず様々な野菜を食べることができますが、“旬のものを食べよ”という昔の人の教えは、非常に理にかなっているといえます。暑い夏にスイカを食べるのは、そうした特性を踏まえたうえでの生活の知恵というわけです」
夏野菜にはカリウムのほか、カロチンやビタミンC、ビタミンEといった、夏バテ予防に効く栄養素を豊富に含むものが多いと加藤先生は解説する。逆に、大根や白菜、かぶといった冬に収穫される野菜には、排尿を止める作用があり、体内に熱を留める手助けをしてくれるという。
「そもそも人間も動物も植物も、この地球という環境の上で生きている点では同じ。だから植物(野菜)もまた、季節ごとの環境に応じて活動を維持するための特性を備えています。旬の野菜を食べるのが体にいいといわれるのは、そうした裏付けがあってのことなんですよ」
夏に冷房の効きすぎた室内で過ごすことは、自然な代謝を抑え、体の機能を停滞させてしまい、それが冷え性などにつながるのだと加藤先生は指摘する。夏は夏らしくたっぷり汗をかき、旬のものを口にする自然な生活を取り戻すことは、健康に直結するのだ。
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