昨年7月、新潟・福島豪雨に見舞われ、中止された新潟市と佐渡市をリレーで往復する遠泳横断プロジェクトが21、22の両日、再チャレンジを迎える。挑戦する選手は52人で、昨年のメンバーが約8割。再挑戦組のダウン症の石山黎(れい)さん(14)と自閉症の買場悠太さん(14)=いずれも中学3年=も多くのメンバーに支えられ、昨年より着実に体力を付け、仲間と一緒にゴールを目指す。
「頑張れ。大丈夫だよ」。4日夜、新潟市中央区の関屋浜海水浴場で行われた夜間練習で、黎さんが海に入るのを嫌がると、コーチの藤塚千里さん(42)が声をかけた。黎さんは前回の海練習で水温が低すぎたため、海に入ることを尻込みしていた。
しかし、少しずつ慣れると、本番でもバディとなる藤塚さんと一緒に真っ暗な闇の中、約100メートル先の消波ブロック付近まで遠泳を繰り返した。
プロジェクトは平成21年12月、黎さんのおじ、松川徹也さん(37)が代表になり発足。黎さんは誘われて22年5月から参加。最初は泳げなかったが、今ではクロールで800メートル泳げる。悠太さんは黎さんの挑戦を知り、応援を買って出て一緒に練習するなど、チームの重要なメンバーになった。
夜間練習を終えた黎さんは「(みんなが)応援してくれるので頑張る」ときっぱり。藤塚コーチも「去年より速くなり、技術的にも体力的にも大丈夫」と太鼓判を押している。
遠泳は52人の選手が2人1組になり、4隻の船に伴走されながら、泳力に従って1人2分~1分半ずつ泳いで交代を繰り返し、関屋浜海水浴場と佐渡市水津の赤亀風島なぎさ公園を結ぶ片道40キロを2日間で往復する。
松川さんは「3年間やってきたことを全て当日にぶつける。いろいろ困難はあると思うが、選手全員で笑顔で関屋浜に戻ってきたい」と話している。
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