乳幼児期のラットを母親と他の子どもから引き離して孤立させると、環境に適応したり新しいことを学習したりする脳の回路に異常が生じることが分かったと、高橋琢哉横浜市立大教授(生理学)の研究チームが18日付の米医学誌(オンライン版)に発表した。
高橋教授は、育児放棄を受けた人間でも同様の現象が起き、考え方の切り替えが難しくなって否定的な思考パターンから抜け出せなくなっている可能性も考えられるとしている。
研究チームは生後4~7日目のラットを毎日6時間、1匹だけ隔離。14日目と27日目に脳を調べたところ、神経細胞内で、認知にかかわる神経伝達物質であるグルタミン酸を受け取る「AMPA受容体」の動きが鈍っていることが分かった。ストレスホルモン「コルチコステロン」の濃度も上がっており、孤立のストレスでコルチコステロンが分泌されたことが原因と判断した。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/jiji-120619X713.html