【ワシントン時事】米国防総省は18日に公表した2012年版の「中国に関する軍事・安全保障年次報告書」で、米政府機関や企業へのサイバー攻撃の多くは中国が発信源と断定した。中国政府が組織的に米政府の情報を収集している可能性も示唆した。
報告書は、11年に世界のコンピューターネットワークを標的にしたサイバー空間侵入や情報の盗難があり、攻撃の「発信源の多くは中国内からだ」と指摘した。昨年の報告書では「いくらかは中国から発せられたようだ」としていた。
今回の報告書は「中国の執拗(しつよう)なサイバー空間の侵入は、北京(中国政府)が戦略的な情報収集の手段として、サイバーネットワーク作戦を展開している可能性を示すものだ」とも分析した。
国防総省は有事の際に、中国がサイバー攻撃で米軍の指揮系統をまひさせることを強く警戒している。
このほか報告書は、中国海軍が外洋進出を拡大させる一方で、有事に中国周辺海域への米軍の接近を阻止するミサイルを開発していることを懸念。中国の第2砲兵(戦略ミサイル部隊)が沖縄から台湾、フィリピンに至る第1列島線の外で活動する米空母や艦船を精密攻撃できるよう、通常弾頭型の中距離弾道ミサイル(MRBM)を多数配備しているとして、警戒感を示した。
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