どこにでも持ち運べて、多彩なアプリやネットサービスを使えるスマートフォンは、まさに現代の魔法の小箱。しかし、使い込むほど個人情報がどんどん溜まっていく「プライバシーの塊」でもあるために、もし紛失や盗難にあったときの“データ流出”の可能性は、大きな心配の種だ。
例えば、アドレス帳やメールの履歴を見られたら人間関係が丸裸になるし、ブラウザに記録している各種のパスワードを悪用されれば、SNSで自分になりすまされたり、金銭的な被害を受けたりする可能性もある。さらに仕事用のメールやファイルが盗まれたら、勤務先の機密情報が漏洩して大トラブルに発展する危険まであり得るのだ。
「そういったリスクへの対策として、もっとも手軽で効果が高いのが本体の“画面ロック”です。自分のスマホが悪意ある他人の手に渡っても、画面ロックを解除されなければ、勝手な操作は防げます。特にビジネスでスマホを使うなら、最低限必須のセキュリティといえますね」
と語るのは、スマホに詳しいITジャーナリストの黒森三助氏。しかし、Yahoo! JAPANが昨年行った調査によれば、いまだロックなしでスマホを使っている人は全体の約4割もいたとか。
「ロックなしはもはや論外ですが、安易なパスワードを使わないことも重要です。例えば、初期設定の“PINコード(0000など)”をそのまま使うのは、ロックをかけていないも同然。また、単純な軌跡の“パターンロック”は、液晶についた跡から読み取られることもあります。安全性では、英数字を組み合わせる“パスワード”を使うのがもっとも読まれにくいですが、できれば8文字以上の文字列を設定したいですね」
つまり、ロック解除の手間とセキュリティの頑丈さはトレードオフというわけか。長い文字列を入力するのは面倒だが、それで不本意なデータ流出から身を守れるなら、多少の手間も“転ばぬ先の杖”といえそうだ。
http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/r25-20120503-00023598.html