[ カテゴリー:医療 ]

<真健康論>第23回 熱が上がる原因は=當瀬規嗣

せきやくしゃみをして、「かぜかな?」と思うと、体温を測ると思います。人は体温と病気に強い関連があると考えているのです。医療現場でも、体温変化は体調の変化を反映していると考えられているので、入院患者さんは毎日体温を測定しています。

人の体温は一定だと思われていますが、実は結構変動します。例えば、1日の間に周期的な変動があり、明け方ごろが一番低く、夕方あたりが一番高くなります。約1度の変動幅があります。人の脳にある「生物時計」と呼ばれる、昼夜に合わせて人の体の働きを調節する仕組みと、それによって分泌されるメラトニンというホルモンの作用で一日の変動が起こります。特に夕方から深夜にかけて体温が徐々に下がることで睡眠に入ると考えられています。

体温変動の別な例として運動による体温上昇があります。運動のため筋肉が使われると、力とともに熱が生じます。筋肉に生じた熱は体に蓄積するので、体温は上昇します。しかし、運動をやめると、次第にもとの体温に戻っていきます。つまり、体温はある程度の変動幅の中に収まるように調節されているのです。

体温調節の中枢は、脳の真ん中の視床下部にあり、体の真ん中の温度が37度になるように調節しています。室温や気温は夏のごく一時期を除いて37度より低いので、体表面は周囲の空気によって冷やされます。ですから、わきの下で体温を測ると36度ぐらいになる人が多いわけです。

体温調節中枢は、体調やホルモンなどによって大きく影響を受けることが分かっています。特に、かぜやインフルエンザなどの感染症、膠原病(こうげんびょう)やがんなどの慢性病は、体温調節中枢に強い影響を及ぼして、体温の調節の目標値を37度から上げてしまいます。目標が高くなったのですから、一日中体温が高くなります。この現象を「発熱」と呼んで、運動などで体温が高くなることと区別しています。

一方、真夏の炎天下では、気温が上がり過ぎて体を冷やせないので、目標値が変わっていなくても体温が上がります。これが熱中症です。体温上昇の原因はいろいろあるので、やはり病院に行くのが最善です。(とうせ・のりつぐ=札幌医科大教授)

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/medical/20120430ddm013070016000c.html

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