収容された犬や猫の殺処分をゼロにする理念の下、「県動物愛護センター」が今月から長岡市関原町にオープンした。ペットを手放す飼い主が後を絶たない中、終生飼育の大切さを啓発し、犬や猫の新しい飼い主を捜す役割などを担っていく。センターは犬や猫が快適に過ごせるようにエアコンや脱臭装置が設置されるなど“動物福祉”にも配慮が払われている。
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県は動物愛護管理推進計画を策定。平成18年度に殺処分された犬や猫約4500匹を20年度から10年間で半減を目指し、終生飼育や飼い主捜しを強化。この結果、22年度でほぼ目標を達成、現在は殺処分ゼロに近づくように取り組みを強化している。
動物愛護センターは県内5カ所の県動物保護管理センターのうち、県央(新潟)、中越(長岡)、魚沼(魚沼)の3施設を統廃合して誕生した。収容可能な犬は52匹、猫は126匹。観察室で最大20日間、健康状態を把握した後、動物飼育室に移し、犬や猫を探しにきた入館者らに見学や触れ合ってもらう。従来のセンターが行ってきた殺処分はここでは行わない。
犬、猫用のエアコン、脱臭装置は従来のセンターにはないもので、さらに犬の部屋には床暖房も付いている。トリミング室も設け、好印象を持たれるようにシャンプーや毛のカットを行うほか、新しい飼い主が決まるときれいにして送り出す。しつけ体験教室、研修室なども設け、適正飼育などを指導する。
センターは5月中旬に開所式を行い、県民に広く周知する計画。オープン後に収容された犬や猫の中には新しい飼い主に引き取られたものもいるという。
同センターの佐藤博センター長は「犬や猫が新しい飼い主と出合えるように努めたい。殺処分を減らすには終生飼育、適正飼育、命の大切さを知ることが大切。不幸な子犬、子猫が産まれないように不妊・去勢手術も考えてほしい」と訴えている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120427-00000023-san-l15