東北電力は、電力需要がピークを迎える夏場をにらみ、東新潟火力発電所(聖籠町)で緊急電源として新設工事を進めている5号機の営業運転開始を前倒しする。試運転に向けた調整作業が順調なことから、7月上旬予定の運転開始を6月末にも早める
東北電は、東新潟を始め新潟(新潟市東区)、八戸、秋田の各火力発電所に緊急電源を計5基設け、103万キロワットを上積みする。これを含めて、夏場の自前の供給力は1475~14777万キロワットを予想しているが、昨夏の最大需要1246万キロワットを上回るものの、平成22年8月に記録した夏場の最大需要1557万キロワットには届いていない。
昨夏の新潟・福島豪雨では29水力発電所が被災し、100万キロワットの電源が喪失。夏までに70万キロワットを復旧させる見込みだが、再び豪雨災害に見舞われ、電源を失うリスクもある。
このため、火力発電の早期増強を急ぐ必要があった。東北電によると、東新潟火力発電所5号機の工事の進捗(しんちょく)状況は76%で、後は配管や電気設備の取り付けを残すのみ。早ければ6月末にも営業運転ができる可能性もある。
火力発電所の増強以外にも東北電は企業との需給調整契約や自家発電の電力購入も拡大する考えで、夏場に向け供給力の確保に全力を挙げる。
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