[ カテゴリー:災害 ]

<知りたい!>津波用ライフジャケット、人気が急浮上 震災以降「備え」の意識高まり

津波・水害対策用の救命胴衣(ライフジャケット)がひそかなブームを呼んでいる。東日本大震災以来、防災意識が高まる日本列島。南海トラフ地震で想定される津波高が従来予測を大きく上回るなど、不安も広がるなか、救命胴衣は頼みの綱になりうるか?

救命胴衣を製造する貿易会社「カザワトレーディング」(神戸市東灘区)。04年のスマトラ沖大地震による津波でイタリア人の友人を亡くした加澤慶久(よしひさ)社長が、「水害に遭っても命が助かる物を」と06年に開発した。

数秒で水面に浮き上がるよう改良を重ねた救命胴衣はフード付きで、頭部からお尻まで保護する。救助隊に発見されやすいよう反射材や呼び笛も装備。気球にも使われる丈夫な生地を胴衣に用い、体温保持機能にも優れているという。値段は大人用が5040円、子ども用が4725円。

加澤社長によると、近くに高台がない人からの注文や、企業が防災用品としてまとめ買いするケースが多い。東日本大震災前は年間400着ほどだったのが、震災後の売り上げは月間約4000着に。東海地震が想定される東海地方や四国を中心に売れている。

浜松市のウレタン製造会社「浜口ウレタン」も震災後、津波対策用の救命胴衣「フローティングプロテクター」(大人用3万円、子ども用1万5000円)を開発。2月から販売を始め、問い合わせが相次いでいる。

救命胴衣だけではない。エコ商品研究開発会社「コスモパワー」(神奈川県平塚市)は水に浮き、家屋の倒壊から身を守る一般家庭向けの球形のカプセル型防災シェルター「ノア」を製品化した。4人乗りは直径1・2メートル(48万900円)。昨年10月ごろに販売を始めたが製造が追いつかない状況だ。

“人気”について富士常葉(ふじとこは)大社会環境学部の阿部郁男准教授(津波防災学)は「東日本大震災で津波への防災意識が高まったことと、津波避難タワーの建設が遅れていることが背景にあるのではないか」と話す。

内閣府の検討会が3月末に出した南海トラフ地震による津波高の想定は、各地で前回の2~3倍。最大34・4メートル(従来は8メートル)とされた高知県黒潮町など「津波避難タワーの方が低い」地域もあり、住民の不安も強い。

◇過信は禁物

ただ、こうした製品への過信は禁物と専門家は警鐘を鳴らす。救命胴衣の着用に気をとられ、逃げ遅れれば逆効果になりかねず、まず高台などの安全な場所に逃げることを徹底すべきだと口をそろえる。自らも通勤車両に救命胴衣を積んでいる阿部准教授は「逃げる時間がなかったり、近くに高台がない場所などでは命を守る最終手段として効果があるだろう。個人でできることは個人で備えることが必要」と指摘する。

警察庁によると、東日本大震災により、遺体で発見された1万5786人の死因別の割合は水死が約91%。何はともあれ水面に浮くことができる救命胴衣に、期待できる一面もある。防災情報を提供する消防庁防災課は「着用して生存率が上がるデータは把握していない。ただ、危険と隣り合わせの消防団員らは着用が推奨されている」と話している。

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20120420dde001040015000c.html

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