日本海で猛烈に発達した低気圧の影響で、県内は4日も暴風に見舞われ、けが人や建物被害が相次いだほか、列車の運休など交通機関も大きく乱れた。新潟地方気象台によると、佐渡市両津で観測史上最大となる最大瞬間風速43・5メートル(午前1時16分)を記録するなど県内29観測所のうち5カ所で観測史上最大、4カ所で4月の観測史上最大を記録した。3日から4日にかけ延べ19万戸以上が停電するなど影響は広範囲に及んだ。
県などによると、負傷者は少なくとも22人に上った。強風で転倒するなどして男女5人が足を骨折するなどの重傷、飛んできたトタンや枝などで17人が軽傷を負った。
住宅の一部損壊は141件あったほか、小学校の窓ガラスが割れる被害もあるなど、建物被害は計503件に達した。園芸ハウスなどのハウス被害は1013棟に上った。県は5日、緊急相談窓口を設置し、農作物の管理や農作業施設などの復旧への相談に応じる。
東北電力新潟支店によると、4日午前8時ごろに近くの住民から通報があり、新潟市西区の国道116号脇で約800メートルにわたり、電柱約20本が倒れているのを確認した。国土交通省新潟国道事務所によると、現場の国道では、復旧完了まで、通勤時間帯を除き断続的に片側通行による交通規制を行う。
一方、燕市吉田鴻巣では、製造会社のプレハブ倉庫が風にあおられて壊れ、倉庫の壁や屋根などが隣接する住宅2棟を直撃した。
隣接する住宅に暮らす茂岱(もたい)君代さん(55)らは3日深夜、近くの防災センターに避難した。茂岱さんは「3日午後11時ごろ、トラックが突っ込んできたような音がした。和室2部屋の天井からくいが8本突き抜けてきた。鉄骨で丈夫なプレハブだったので、まさかこんなことになるなんて」と驚いた様子で話した。
観測史上最大の風速を記録した佐渡では、高波による被害も出た。4日午前2時ごろ、佐渡市相川栄町の多目的施設「あいかわ開発総合センター」で、1階部分が浸水しているのを市職員が発見。市社会教育課によると、高波が会議室やホールなどの窓ガラスを突き破って流れ込み、机や椅子などが散乱した。
佐渡汽船はジェットフォイル、カーフェリーとも全便が欠航。JR東日本新潟支社によると、特急列車など少なくとも228本が運休した。
また東北電力新潟支店によると、3日から4日にかけ延べ19万235戸が停電。倒木や飛来物で配電線が損傷したことなどによる。
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