トキを通して地域の自然や環境の大切さを学ぼうと、新潟県長岡市寺泊夏戸の寺泊夏戸センター(旧夏戸小学校)に20日、「長岡市トキと自然の学習館」がオープンする。2ペアのトキを飼育する同市トキ分散飼育センターが隣にあり、非公開の同センターにかわってトキの様子をライブや録画したビデオ映像で公開していく予定だ。
トキは「ニッポニア・ニッポン」の学名を持ち、日本を象徴する鳥といわれながら、国内の野生下では既に絶滅。平成11年に中国から贈られた1ペアが佐渡トキ保護センター(佐渡市)で繁殖するなど数を増やし、佐渡市で自然放鳥も始まった。分散飼育は鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅を防ぐもので国内4カ所で行われており、長岡市では昨年10月に2ペアを迎え、繁殖も目指している。
トキの分散飼育を受けて開設される同学習館は雌雄と幼鳥の美しいトキの剥製(はくせい)3体と骨格標本を展示した「トキの標本ギャラリー」が入り口で出迎える。ガラスケース越しながら、映像とは違って実際の大きさ、羽の色合いなど、トキの感触が手に取るように分かる。
「ときはどんな鳥」のコーナーでは、アニメでトキの1年の暮らしを見せる歳時記映像や世界に24種いるトキの仲間をパネルで紹介。「トキとの共生に向けて」のコーナーにはクイズ形式でトキを知ることができる情報端末があり、子供たちの人気を集めそうだ。「長岡市の自然とトキ」のコーナーでは同市の豊かな自然が映像で紹介される。3人の説明員もおり、来館者の質問などに対応する。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120319/ngt12031919420003-n1.htm