泉田裕彦知事(49)は24日の2月定例県議会で、10月の任期満了に伴う今秋の知事選について「県民の皆様の信を仰ぎたい」と述べ、3選を目指し立候補する考えを表明した。自民党県連幹事長の帆苅謙治県議の代表質問に答えた。知事選への立候補を明らかにするのは泉田知事が初めて。【畠山哲郎】
泉田知事は「厳しい経済・雇用情勢、災害からの復旧・復興や原子力災害、深刻な医師不足や少子化問題への対策、さらには新潟州構想の推進など対応すべき多くの喫緊の課題を抱えている」と指摘。その上で「若い人が未来を描くことのできる、努力すれば報われる地域社会づくりを目指す取り組みが徐々に芽を出しつつある。さらなる飛躍と県民の皆様の安全・安心なくらしの実現に向け、最大限努力したい」と決意を述べた。
泉田知事は加茂市出身。京大法学部卒業後、87年4月、通産省(現経済産業省)に入省。岐阜県新産業労働局長から04年の知事選に立候補し、自民、公明両党の推薦と、民主党国会議員の一部の支援を受け、対立する新人5人を破って初当選した。当時42歳で知事では全国最年少だった。08年の同選挙でも共産党推薦の新人を破り、再選を果たした。
知事就任は、04年10月23日に発生した中越地震からわずか2日後。以後、同地震をはじめ、「平成18年豪雪」、07年の中越沖地震、11年の東日本大震災による福島県などからの避難者受け入れや新潟・福島豪雨など、度重なる災害の対応にあたり、手腕を発揮した。
一方、09年2月、2014年度末に開通する北陸新幹線(長野-金沢間)の建設負担金を巡り国から増額を求められたことに「説明が不十分」などと反発。県予算の計上を見送るなどし、3年にわたる国との対立を招いた。また11年1月、新潟市の篠田昭市長と、県と同市の二重行政解消を目指した「新潟州構想」を発表した。
◇泉田知事、自民・公明推薦の方針 民主「白紙」、共産は候補擁立へ
知事選への立候補を表明した泉田裕彦知事について、自民、公明両党は推薦する方向で検討する方針。一方、民主党は今後の対応について「白紙の状態」としており、共産党は独自候補を擁立することを明らかにした。
県議会終了後、自民党県連幹事長の帆苅謙治県議は「知事からの要請を受け、議員、各支部の意向を踏まえることになるが(推薦の)方向でいくと思う。失政があるわけではないし、災害にもしっかり対応している」と一定の評価をした。
公明党県本部代表の志田邦男県議も、要請を受け次第、推薦する方向で検討する考え。「北陸新幹線問題など、これまでは知事自身からの問題提起が多かったが、3期目は組織のリーダーとして、人を使い多くの力を発揮させるようにしてほしい」と注文を付けた。
18日に第1回の知事選対策委員会を開いた民主党県連幹事長の市川政広県議は「推薦するか、対抗馬を擁立するか、今はまだ白紙の状態」と述べ、3月24日に開く第2回対策委で具体論を詰めていく考えを明らかにした。
共産党の樋渡士自夫県委員長は「なるべく早く独自候補を擁立する」と回答。社会民主県民連合代表の小山芳元県議は「今後推薦要請があった場合は検証委員会を開催し、党として判断したい」とのコメントを発表した。
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