[ カテゴリー:医療 ]

足の動脈硬化 重症なら切断 冷えやしびれ…異変に気付いて

 ■リスク高い糖尿病・喫煙

 糖尿病の合併症などで足に動脈硬化が起こる閉塞(へいそく)性動脈硬化症(ASO)が重症化し、足を切断せざるを得なくなる人は年間約1万人に上る。早期発見・治療で切断しなくて済むケースも多いが、患者・医師ともにASOへの認識が低いこともあり、足の異変に気付づきにくいのが現状だ。日本フットケア学会などは今年から2月10日を「フットケアの日」とし、足切断につながる足病変の早期発見・治療を呼び掛けている。

 ◆医師にも啓発

 ASOは、足の動脈が狭くなったり、詰まったりした結果、血液の流れが悪くなる状態のことをいう。ASOの危険因子は主に糖尿病と喫煙。糖尿病では通院治療の患者も多いが、東京都済生会中央病院・糖尿病臨床研究センターの渥美義仁センター長は「外来患者全員の足を診るのは時間的にも難しい。足の異常に気付かない患者さんも多く、早期診断ができていないのが現状」と指摘する。

 ASOの初期症状は、足の冷えやしびれ、色の変化など。しかし、昨年12月に糖尿病患者300人に行ったASOに関する意識調査では、足が冷えるなどの症状があったときにASOを疑った患者はわずか10%。また、合併症である「足の潰瘍・壊疽(えそ)」について「知っている」と回答した患者のうち、予防のために「足を毎日洗い、清潔を保っている」と答えたのは半数で、3割は足のケアを何もしていなかった。

 症状に気付いても病気と思わず放置することで、心筋梗塞脳梗塞を起こすケースは少なくない。小倉記念病院循環器内科の横井宏佳部長は「心筋梗塞や脳梗塞になる前に、足の血管の梗塞が始まっている患者さんも多い。ASOの前兆を見逃さないための取り組みが必要だ」と訴える。

 ただ、患者だけでなく、医師の中でも足の潰瘍・壊疽のリスクをきちんと把握していない人はまだ多い。杏林大学医学部形成外科の大浦紀彦准教授は「ASOが進行した重症下肢虚血で、足を切断せずに治療できるようになったのはこの数年のこと。このため、まだ切断しか治療法がないと考える医師は多い。病気について広く知ってもらうとともに、治療法があることを医師に啓発することも大切だ」という。

 ◆定期チェック

 ASOかどうかは、足の血圧を測るABI検査や超音波(エコー)検査、足の甲にある動脈やくるぶしのすぐ後ろにある脈を指で触って調べる触診で調べられる。触診は自分でも簡単にできる。左右に脈の強さの違いがある場合は要注意で、専門医を受診した方がいい。

 治療は、運動療法や薬物治療、カテーテル治療、バイパス手術などがある。ただ、症状が進行するほど治療が難しく、予後も悪いので、やはり早めに症状を見つけ、進行しないように予防していくことが大事といえる。

 日常生活での注意点としては、禁煙や脂肪・塩分を控えたバランスの良い食事、足を清潔に保つ、定期的な足のチェックなどがあげられる。

 横井部長は「心筋梗塞や脳梗塞よりもASOの方が1年以内の死亡や入院が多いという海外の研究もある。足に異変があったときは早めに医師に相談してほしい」と話している。

 【足の健康状態の主なセルフチェック表】

□足にしびれや冷えの症状がある

□以前は歩けた道が、足が痛くなって歩けないが、立ち止まると10分以内に痛みが消える

□朝晩に手足の冷えを強く感じる

□足の皮膚の色が変わってきた

□風呂上がりのときも足首から下が青白い

□小さな傷でもなかなか治らない

※チェック項目が多い人は血管外科や循環器科での診療を。

 (「フットケアハンドブック」より抜粋)

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20120124105.html

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