【名護】東日本大震災の発生から11日で10カ月を迎える。東京電力福島第1原発事故を機に神奈川から沖縄に移り住んだ歌手のUA(ウーア)さんは、沖縄に避難してきた友人らと、内部被ばくなど食の安全を考える団体「ティダノワ」を立ち上げた。3月10、11の両日に名護市の21世紀の森公園で、ライブと専門家の講演を合わせた「ティダノワ祭」を開催する。メンバーは「原発から離れた沖縄にも放射線で汚染されたものが流通する可能性はある。不安をあおるだけではない、知恵と情報が必要」と訴えている。
UAさんは昨年4月、放射線の子どもたちへの影響を心配して本島北部へ移住した。母親が奄美出身ということもあり、沖縄に懐かしさとエネルギーを感じたという。「沖縄を守るため自分に何ができるか」。その答えが祭りだった。
ティダノワは、祭りの主催団体と食の安全を考える親たちのネットワークとして11月11日に発足。今月8日には、普天満山神宮寺で催された震災避難者を支援するイベント「つなぐおもい」で祭りをPRした。「つなぐおもい」の収益はティダノワに寄付された。
目標は県外から避難してきた人の中だけで終わらず、地元に交流の輪を広げることだ。「自分が知ったことを愛する隣人にも伝えたい」。UAさんは「どうしたら互いのハートに届くのか」と日々奮闘する。
フードコーディネーターとして活躍してきたメンバーの根本きこさんは「国の基準値自体が揺らいでいる。福島産でも安全なものは絶対あるので、不安をあおるだけでなく皆で勉強していきたい」と話した。
ティダノワ祭は、UAさんやアイモコによるライブのほか、矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授による内部被ばくの講演などがある。詳細はティダノワのブログまたは同事務局(植田)(電話)050(1576)1117。
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20120110rky00m040002000c.html