◇栄養たっぷり、韓国料理
外から帰ってくると、指先がかじかむほど寒い。こんな時期、体の芯から温まる料理が何よりのごちそうだ。
「ベターホームのお料理教室」(本部・東京都渋谷区)の専任講師、越川藤乃さんは「ニンニク、ショウガ、トウガラシを多く使う韓国料理は体が温まります。簡単に作れて、おせちに飽きた人にもお勧め」と話す。
体が冷えると新陳代謝が悪くなり免疫力が下がる。平均36度以下の低体温の人も増えている。体を温め血液の循環を良くするには、ショウガ、ニンニク、ネギ、ニラ、トウガラシなどの香味野菜が効果的だ。ウナギ、カボチャなどに含まれるビタミンEも血行を良くするほか、豚肉、牛乳、大豆製品のビタミンB1、B2、緑黄色野菜のビタミンC、鉄分、たんぱく質などといった栄養素もまんべんなくとることが大切。
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今回は香味野菜、豚肉がたっぷり含まれている「カムジャタン」(豚肉とジャガイモのチゲ鍋)、「セリのチヂミ」(韓国風お好み焼き)、「イカのフェ」(イカ刺し身のサラダ)の3品を紹介する。
「カムジャタン」はスペアリブを1時間ほど、コトコト煮て軟らかくする。肉のうまみがジャガイモに入り、ほっこりとおいしい。ショウガとニラ、トウガラシが体を温めてくれ、見た目ほど辛くない。受講生の勝原佳菜さん(60)は「辛いのは苦手ですが、あまり気になりません」、高橋勝憲さん(65)も初めての韓国料理に「簡単で、野菜がたっぷり食べられるのがいい」と話していた。
「チヂミ」ではカロテン、ビタミンC、鉄分が多く含まれているセリをたっぷり使った。ニラやネギでもいい。小麦粉、油を少なくすることでよりヘルシーになる。チヂミをよく作る河野啓子さん(51)は「米粉をいれるとさらにサクッとします」とアドバイス。田中千鶴さん(47)も「冷めてもおいしいので作り置きできますね」と話した。
「イカのフェ」は生の春菊がほろ苦く、食欲が増す。大根とイカを同じ大きさに切ることで、食感の違いを楽しめる。たれの「ヤンニョムジャン」は作り置きしておけば、何にでも使える。
食べ終わった受講生たちは「体がぽかぽかする」と口をそろえていた。
◇一口メモ
★ジンジャーシロップ常備して
ショウガは冷え性の人に効果があるとされ、数年前からブームに。冷蔵庫で1カ月保存が利く「ジンジャーシロップ」を大量に作り、葛湯(くずゆ)や紅茶に入れ毎日飲むのがお勧め。作り方は、ショウガの薄切りと同量の水、適量の砂糖を一緒に火にかける。レモン汁、シナモンスティックをお好みで。
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★カムジャタン(1人前385キロカロリー)
《主な材料》(4人分)
▽スペアリブ 8切れ
▽ジャガイモ 2個
▽タマネギ 1/2個
▽長ネギ 1本
▽ショウガ 15グラム
▽ニラ 1/2束
▽白すりゴマ 大さじ1
▽A(コチュジャン大さじ1と1/2、粉トウガラシ小さじ1/2、酒、しょうゆ各大さじ1、みじん切りニンニク1/2片分)
《作り方》
<1>スペアリブは熱湯に通し、土鍋に入れる。水1リットルと長ネギの青い部分を加え中火にかけ、沸騰したらアクをとり、弱火で約1時間煮る。ネギは取り除く。
<2>ジャガイモは皮のまま半分に切り、かためにゆでて皮をむく。タマネギは1センチの半月切り、残りの長ネギは3センチの長さ、ショウガは薄切りにする。
<3>(1)にAと(2)を加え、ふたをして弱火で15分煮る。5センチの長さに切ったニラとゴマを加え、ひと煮立ちさせる。
★セリのチヂミ(1人前150キロカロリー)=写真手前
《主な材料》(2人分)
▽セリ 1/2束
▽桜エビ 大さじ2
▽A(薄力粉大さじ5、卵1個、塩少々、水大さじ3)
▽ゴマ油 小さじ1
《作り方》
<1>Aをざっと混ぜ、3センチ長さに切ったセリ、桜エビを加え混ぜる。
<2>フライパンにゴマ油をひき(1)を流し入れ、両面を焼く。酢、しょうゆ、ラー油で。
★イカのフェ(1人前37キロカロリー)=同奥
《主な材料》(2人分)
▽刺し身用イカ 40グラム
▽大根 100グラム
▽春菊 30グラム
▽糸トウガラシ 少々
▽ヤンニョムジャン(みじん切り長ネギ適量、おろしニンニク少々、白すりゴマ、酢、ゴマ油各小さじ1/2、しょうゆ大さじ1/2)
《作り方》
<1>大根は3センチ長さ、1センチ幅の短冊切りにする。春菊は葉先をつむ。
<2>イカは3センチ長さの薄切りにする。
<3>(1)(2)を合わせ器に盛り、糸トウガラシを散らす。ヤンニョムジャンをかける。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/bizskills/healthcare/20120110ddm013100027000c.html