小麦成分が含まれた「茶のしずく石鹸(せっけん)」の使用者にアレルギー症状が相次いだ問題で、2010年11月に被害についての学術論文が島根大教授らにより発表されていたのに、製造販売元の悠香(福岡県)から厚生労働省側への届け出が11年3月まで遅れたことが6日、分かった。薬事法は安全性に関わる研究報告を知った時から30日以内の届け出を義務付けており、厚労省は同法違反がなかったか調査している。
論文には問題のせっけんを使った3人にアレルギーが起きたことが記されており、10年11月発行の日本皮膚科学会誌に掲載された。教授らは論文で商品名を伏せたが、小麦成分の提供を受けるため、同社には連絡したという。
厚労省も10年9月に被害情報を把握し、同社に届け出を求めた。同社は同年12月に小麦成分を含まない商品に切り替えたが、厚労省側への届け出は11年3月で、問題のせっけんの自主回収を始めたのは同年5月だった。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/bizskills/healthcare/jiji-120106X553.html