さて、仕事納めをして仕事始めまでの間は、時間が少し自由になります。大掃除をしたり、家族サービスや移動に時間を費やしたり、お台場でのビックイベントに体力を取られる人も多いと思いますが、仕事に追われずに済むこの時期こそ、少しお金のことを振り返ってみてほしいと思います。
そこで今回は、年末年始に10分でできる(はずの)「今年のマネーチェック」を紹介します。少なくともこれくらいのチェックをしておけば、2012年に向けたお金のテーマは見えてくるはずです。
それでは、あなたの家計の状況についてチェックしてみましょう。
■準備編
1. 年末の残高をチェックする
最初は、2011年12月31日の資産状況のチェックです。銀行でしたら、大晦日に通帳の記帳に行けば最新の数字が分かります。定期預金の残高も再チェックしましょう。ネットバンクやネット証券でしたら、WEBにログインすれば年末時点の残高を自宅で確認できます。可能な限り、年末の資産残高を調べましょう。もちろん、株や投資信託を保有している場合は、時価で評価します。
これらの数字を簡単なエクセルシートにして、合計額を出しておきます。これを「A」とします。
2. 前年末の残高をチェックする
次に、2010年12月31日の資産状況のチェックです。基本的なチェック方法は、1. を1年さかのぼるだけ大丈夫です。銀行でしたら、通帳の過去の数字を調べれば分かります。ネット証券でしたら、過去の時点の残高を確認できます。証券会社も運用報告書があるはずです。
先ほどのエクセルの項目について「2010年末」という列を1つ加え、それぞれ数字を記入、合計を出します。これを「B」とします。
3. 今年の年収をチェックする
三番目のチェックは、年収の確認です。会社員であれば、12月の給料支払日に「源泉徴収票(給与所得の源泉徴収票)」という小さな紙を渡されているはずです。そこに「支払金額」と書かれているのが、あなたの今年の年収の合計(給与・賞与すべて)になります。よく分からない場合は、一番大きな数字を探せばいいでしょう。これを「C」とします。
自営業者は年間の売り上げを調べます。確定申告にはまだ早いので、精算しきれないという人もいるでしょうから、この場合は2月に同じチェックを行なってもいいでしょう。
■チェック編
1. 貯蓄額を確認する
まずは、財産が増えているか確認します。下記の計算をしてみましょう。
B-A=D
もし「D」がプラスであれば、差額が貯蓄額ということです。今年は大変な一年でしたが、この一年間で財産を増やすことができたということになります。まずは安心していいでしょう。
しかし「D」がマイナスの場合、この1年は資産を減らしてしまったということになります。こちらは反省タイムが必要です。「A」、「B」の計算に用いたシートをチェックし、要因分析をしてみましょう。
例えば、株価が下がったことが主要因であれば、これはやむを得ないものと考えられます(今後プラスに戻る可能性もある)。あるいは「今年は住宅を買って頭金を払ったから」など、理由がはっきりしている場合も差し支えありません。しかし、「今年は何かとムダ遣いしてしまった」、「今年は年収が下がった分、貯金を崩した」というようなパターンは要注意。来年も同じことを繰り返しては資産は減る一方だからです。2012年に資産を増やす方法を、この正月休みに考えてみてください。
2. 貯蓄率を確認する
「D」がプラスであった場合は、その割合を考えてみます。計算式は以下のとおりです。
D÷C×100=E
あなたの年収に占める貯蓄率が「E」です。例えば、年収500万円の人が50万円貯められたとすれば、「E」は10、つまり10%貯められたということになります。この貯蓄率が高いほど、効率的に年収を残して財産増に成功しているということです。評価度合いは以下のような具合。
「E」が0~5:ぎりぎりプラスで貯蓄に成功している、といった感じです。この割合の貯蓄率だと、今後年収が下がったり消費税が上がると、貯金がゼロになるようなペース。2012年はムダ遣いを徹底的に見直して、貯蓄率アップを目指しましょう。
「E」が5超~10:貯蓄の体制は整えてあると思われますが、無理のない範囲で続けているという感じでしょうか。今のペースを続けていくことと、貯蓄ペースを上げていくことの双方について考えてみましょう。ある程度ムダも絞っていると思われますので、ここからが家計ダイエットの本番です。2012年もがんばりましょう。
「E」が10超~20:なかなかいい感じです。年収の1割以上を貯められているという人は、税金などを引いた手取りベースでは15~20%貯められているということになります。まずはこのペースを2012年もキープし、可能であれば貯蓄のアップを目指しましょう。
「E」が20超:お見事です。年収の2割以上を貯蓄できているという人は、お金に困らない人生を送れる可能性が高いです。2012年は年収のアップと、現在の貯蓄率キープを考えていきましょう。
自分の家計を「年」単位でチェックするタイミングは、この時期が一番いいと思います。3月〆で4月に計算してもいいのですが、たいてい仕事が忙しいはずです。
記事を読んで思うほどには実際は難しくありませんので、できる範囲で年末にチェックしてみてはどうでしょうか。来年こそは「貯蓄体質」になれますように!
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/life/lifehacker_20374.html