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花王、「頭皮マッサージ」による”毛髪密度”と”毛髪弾性”の増加を確認

花王は7日、同社ビューティケア研究センターが今回、6カ月間の頭皮マッサージによって毛髪密度の増加および、毛髪弾性(「ハリ」や「コシ」)を増加させることの検証に成功したと発表した。また、マッサージによる毛髪密度の増加と頭皮の定常血流量増加、「ハリ」や「コシ」の増加とキューティクルの厚さにそれぞれ関連があることも見いだしたとしている。

花王では今回の結果から、「頭皮マッサージによって、毛周期の休止期から成長期への移行促進、キューティクル層の肥厚などが起こり、毛髪密度や髪の「ハリ」や「コシ」が高まるという好ましい状態に変化したものと考えられる」としている。今回の成果は、今後のヘアケア製品やヘアケア技術の開発に応用するという。

なお、今回の研究は、第69回日本化粧品技術者会研究討論会(2011年11月30日)で発表している。

花王によると、エイジングに対する意識が高い女性の約7割が、自分自身で頭皮マッサージを行なった経験があった。その目的には、頭皮への刺激を与えることで、気分のリフレッシュや、気持ちの安らぎを得るため、というものがある。一方で、加齢に伴う「髪が薄くなった」「ハリやコシがなくなった」という悩みへの対策として、育毛も期待して行なっていた(花王調べ)。

しかし、「頭皮マッサージを長期間行なった場合の毛髪の成長などに関する生理的な作用を検証した報告は見当たらず、実際にどのような変化がみられるかはわからなかった」(同社)。

これまでに花王では、さまざまな検討結果から、血液循環を促進して毛根に栄養を多く供給することが髪の太さや「ハリ」や「コシ」の改善につながるひとつの方法であると考えてきた。

そこで、頭皮への刺激法による血流量の変化を把握し、「頭皮をほぐす、押す、さする、引き上げる、軽くたたく」の一連のマッサージ方法での施術後に、血行が促進されることを確認。今回は、長期間頭皮マッサージを行なった場合の毛髪の成長や毛髪物性、頭皮の血流に及ぼす作用を検証した。

花王が公表した研究結果によると、毛髪密度は、6カ月間のマッサージにより、約6%の増加を示し、マッサージをしなかったコントロール群に比べて有意差があった(P<0.0001)(資料:図1)。髪を曲げた時にかかる力(マゲ応力)を計測することで、”マゲ弾性係数”を求めて、髪の「ハリ」や「コシ」を評価。6カ月間のマッサージにより、約3%のマゲ弾性係数の上昇を示し、コントロール群に比べて有意差があった(P<0.05)(資料:図2)。

また、マッサージ群において、マッサージをした側とマッサージをしない無処理側とを比べることで、データ同士の関連の有無を調べた。同じ人の左右で比較することにより、個人差によるデータのぶれを少なくし、より正確な検証を行った。

その結果、マッサージ側の頭皮の定常血流量は、無処理側に対して有意な上昇を認めた(P<0.05)。この上昇率は、マッサージによる毛髪密度の上昇率と正の相関があった(r=0.42)という。マッサージをしない無処理側においては、関連が見られなかった。このことから、毛髪の成長に対する血液循環の重要性があらためて示されたとしている。

さらに、マッサージ側でのマゲ弾性係数の上昇率と、キューティクル層の肥厚化との関係を調べたところ、両者間に正の相関が見られた(r=0.83)。マッサージをしない無処理側においてはこのような関連は見られなかったという。キューティクル層の肥厚化の数値は、髪の断面を切り出し、レーザー顕微鏡下でキューティクル相当領域の相対面積を算出して求めた、キューティクル占有率の試験開始前に対する変化率を用いた。

http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/medical/mycom_368223.html

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