◇県花卉組合「癒やしになれば」
東日本大震災の被災地に花を植える活動が広がっている。チューリップやスイセンの全国最大級の生産地である県からは、県花卉(かき)球根農業協同組合などが約1万2000球の球根を提供。同組合の組合長で、花の生産者の全国組織「日本花き生産協会」の球根・切り花部会長の豊島正人さん(50)=五泉市一本杉=は今月5日、岩手県陸前高田市を訪れ、ボランティアらと県産スイセンなどを植えた。豊島さんは「花の普及は生産者としての務めでもある。被災地の人たちが癒やされてくれれば」と話す。【小林多美子】
同組合などはこれまでに、岩手県にチューリップの球根4800球、宮城県に同約3000球を、被災地に花を植える支援活動に取り組む団体などに贈ったという。
陸前高田市の庭園での植栽は、都内の園芸関係者らによる市民団体「花の力プロジェクト」が手がけ、同協会や組合が協力した。
庭園の場所は震災前には動物病院があったが、病院は津波で流されたという。石やがれきなどが散乱していた土地を地元の園芸愛好家らが取り除き、この日はボランティアも含め約120人で培養土を散布し、苗や球根を植えた。庭園は「GARDEN OF HOPE(希望の庭)」と名付けられ、追悼のメモリアルエリアも設けられるという。
植えた花は、春に咲くチューリップ、スイセンの球根と、秋から初夏まで咲くパンジーの3種。県内からはスイセンの球根4000球を提供した。またチューリップの世界最大の産地、オランダの国際球根協会がチューリップの球根2万球以上を提供し、同国の庭園設計者が「永遠に刻むとき」を表すドーナツ型の花壇を設計した。
被災地の現状を見た豊島さんは「復興にはまだまだ時間がかかると感じた」と話す。来春は、花が咲いた様子を見に再び訪れたいという。
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