さて、先般もご説明させていただきました通り、スマホの驚異的な普及に伴う通信混雑によって、メール着信時間に悪影響が及んでいます。
まずは、その点に関して、メールが配信される仕組み等も含めた詳しいお話を少々させていただきます。
当団体からメール会員の皆様へお届けしております情報メールは、私共のシステムから直接皆様の携帯に送信している訳ではありません。
私共のシステムと皆様の携帯の間には、二台のサーバーを介しています。
上図で言えば、緑の矢印のところ、当方メールシステムから当方サーバーを介し、先方の携帯電話事業者サーバーまで、宛先を指定したメールを渡すところまでが当方の仕事です。
ご覧の通り、この段階では、まだ皆さんの携帯までメールが届いた訳ではありません。
当方のシステムがどんなにきっちり働いても、皆さんまでメールが届く訳ではないということです。
また、ここで、ご注目いただきたいのが図の“赤色点線で囲んだ部分”、当方サーバーから先方の携帯電話事業者サーバーにメールを受け渡した時間です。
皆さんの携帯にメールが届いた時、そのメールに表示されている時間は、ここの時間なのだというこを覚えておいていただきたいと思います。
さぁ、次です。問題は、むしろここから先です。
当方のサーバーが、先方の携帯電話事業者サーバーにメールを受け渡すと、従来は携帯電話事業者サーバーが黄色の矢印のように働いて、皆さんの携帯に速やかにメールを届けてくれていました。
ところが最近、そこに、「想像を遥かに超えたスマホの普及拡大」という問題が影を落とすようになったのです。
従来携帯の20台分の通信を使うと言われているスマホが幅を利かすことになると、携帯電話事業者のサーバーは、どんなに頑張って働いても処理能力が追い付かないし、基地局で取り扱える通信もスマホ達にあっという間に占有されてしまい、従来であればすぐに届けることができていたメールに相当な遅延を発生させることになったり、通話中の電話が突然切れてしまったりといった現象を引き起こすことになったのです。
会員の皆様の中に「メール到着が遅い」と思われている方は、どうぞ、そのメールに表示されている時間をご覧になってみてください。
メール着信音が鳴った実際の到着時間より、相当前の時間が表示されていることに気が付いていただけるはずです。
それこそが、当方のシステムはきっちり動いているが、携帯電話事業者側の事情で遅れているという証拠なのです。
※私共が検証しましたところ、送信先が2000人程度なら問題ありませんでしたが、1万人を超える一斉配信になると、登録番号が12000番を超えたあたりから到着遅延がちらほら出始め、一頃の最悪の状況の時には4時間掛かったという事例もありました。
「スマホ」という新しい通信機器を販売したいが、それは、これまでの機器の20倍の通信量を使ってしまう…という場合、普通の考え方の持ち主なら、それに耐え得るインフラを整備してから販売しようと思うはず。
ところが、日本の携帯電話事業者は、そんなことはどこ吹く風。インフラ整備を後回しにして、「えいやー」で販売を開始してしまった。
スマホ普及に伴う新たな問題の顕在化が囁かれるようになったこの段階において、携帯電話事業者各社共にようやく、慌ててインフラ整備に本腰を入れ始めたようですが、時すでに遅し…悪影響はいろんな場面で波及しているというのが現在までの事の顛末です。
私達は、一日も早くインフラが整備され、通信環境が元通りに回復することを、ただ祈るだけです
それにしても、、、従来の通信に悪影響を及ぼすことが分かっていた上でのスマホ普及戦略、、、確信犯とも言えるこのやり方を、皆様は、どのようにお感じになりますか?
挙げ句の果てに、「スマホのパケット使い放題は取りやめ!!」などということになったら、口車に乗ってスマホに乗り換えた皆さんは、結局のところ以前より相当に高い料金を支払わされることになる訳ですから、これは、もう“おちょくられている”としか言いようがありません。
第何次の漫才ブームかは忘れましたが、以前のダチョウ倶楽部のギャグで、上島竜平が帽子を叩きつけながら「訴えてやる~」というものがありました。
この状況には、きっと彼でなくとも、大勢の方がそんな憤りを覚えられるはず。
欧米で同じようなことをしようものなら、一体全体どうなることやら。
もしかしたら毎日誰かが訴訟を起こす…など、ということになるかもしれませんね。
恐ろしや恐ろしや。