死者68人、重軽傷者4795人、約12万1600棟の住宅に被害が出た中越地震から23日でちょうど7年。それに合わせ、地震の記憶を後世に伝えようと、施設や公園からなる「中越メモリアル回廊」が長岡、小千谷両市にオープンする。震災体験や避難生活の記録をとどめる3施設と、地震の傷痕が残る3カ所を整備した公園が「回廊」の拠点となる。
3施設は、長岡市大手通2丁目の「長岡震災アーカイブセンター きおくみらい」(午前10時~午後6時、日・祝日は5時まで)、同市川口中山の「川口きずな館」(午前10時~午後5時)、小千谷市上ノ山4丁目の市学習センター楽集館の「おぢや震災ミュージアム そなえ館」(午前9時~午後5時)。
小千谷市の「そなえ館」は「地震発生直後」「3時間後」「3日後」「3カ月後」といった時系列で避難生活の移り変わりや支援・復旧の様子が分かる展示をしている。中越地震や阪神大震災など近年の地震の揺れ具合を体験できる地震動シミュレーターもある。
避難生活の様子が分かる展示品もそろえ、市消防本部で使っていた地図に残る「塩谷負(傷者)多数」といった赤い油性ペンの走り書きは当時の緊迫感を伝える。仮設住宅の内部も再現し、空きペットボトルを使って結露対策を施した蛍光灯も展示。来春には地震や避難生活の体験談を紙芝居で伝える「語り部活動」も始める予定だ。
長岡市の2施設は火曜、そなえ館は水曜が休館。いずれも入館無料。
公園としては、92時間後に男児が奇跡的に救出された長岡、小千谷市境に近い信濃川沿いの土砂崩落現場に公園「妙見メモリアルパーク」が整備された。震源地とされる長岡市川口地区には「震央メモリアルパーク」、土砂崩落で川がせき止められ、住宅が埋まったままの同市山古志東竹沢には「木籠(こごも)メモリアルパーク」が造られた。
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22日は、長岡震災アーカイブセンターが開館。センターが入るビルで午後2時から復興支援シンポジウムもある。
23日は、長岡、小千谷両市を中心に多くの行事がある。県や両市など主催の「中越大震災7周年10・23のつどい」は午後2時から、小千谷市総合体育館で。前後してそなえ館、きずな館のオープニング式典もある。小千谷市や、長岡市の川口、山古志両地区では夕方から、追悼式や復興祈念行事が予定されている。(松本英仁)
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