鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅を防ぐため、佐渡市の佐渡トキ保護センターからトキ4羽(2ペア)が11日、長岡市のトキ分散飼育センターに移送された。県内での分散飼育は初めて。
移送されたのは、3歳の雄と雌、2歳の雄と1歳の雌で、四つの木箱に入れられて到着。分散飼育センターの繁殖ケージに移され、放鳥された。同センターによると、トキは最初は新しいケージにとまどっていたが、しばらくすると止まり木に止まるなど落ち着いた様子だったという。
来春にヒナが誕生したら、秋ごろにはそのヒナを佐渡トキ保護センターに戻す予定。和食雄一獣医師は「分散飼育地としての役割を果たし、トキの野生復帰に向けて工夫や努力をしていきたい」と語った。
また、トキの到着に立ち会った泉田裕彦知事は「中越地震の復興の側面もあり、感慨はひとしお。トキの野生復帰のプログラムの一つで、長岡の役割は大切」と話した。森民夫長岡市長は「トキの羽の色が感動するくらいきれいだった。環境教育の一つのメッカとして活用していきたい」と述べた。
分散飼育センターは、鉄骨一部木造平屋建て約1200平方メートル。繁殖・飼育ケージ、ふ化室、作業室などがあり、繁殖ケージは3区画に分けられている。天敵対策として、電気柵を設置するなどしている。
一般見学はできないため、今年度中に完成予定の隣接する寺泊夏戸センターで、トキの様子を映したライブ映像を流す予定。
分散飼育は、既に多摩動物公園(東京都)、いしかわ動物園(石川県)、出雲市トキ分散飼育センター(島根県)の3カ所で実施されている。
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