◇アルパカと人の愚かさ対比
有望な新人映像作家を発掘する今年の「第13回長岡インディーズムービーコンペティション」でグランプリを獲得した原田裕司監督(35)=東京都=が、長岡市山古志地域を舞台に今冬、新作映画を撮影する。中越地震(04年10月)の復興のシンボルにもなっているアルパカを軸に、人の愚かさなどを描くという。【岡村昌彦】
今年の同コンペティショングランプリ受賞者は、長岡市から同市で撮影することを条件に製作費の一部支援を受け、新作映画を撮影できる。原田監督は、山古志地域にアルパカ牧場があると聞き、映画にできるのではないかと思い付いた。
アルパカは、中越地震の被災地復興の一環として、米国の牧場経営者から譲り受けたのをきっかけに住民らが飼育。現在は2カ所の牧場で計20頭を飼育している。
原田監督は既に山古志地域のアルパカ牧場を訪れ、アルパカと対面。初めてアルパカを直接見たといい、「おっとりした動物で、キョトンとした雰囲気がかわいい」と笑顔。山古志地域については「行く先でお茶を出してもらったりいい人ばかり。ただお年寄りが多く、若い人の姿を見なかったのがさみしい」と話した。
現在、原田監督はアルパカ牧場で働く兄と妹の話を基に詳しい構想を練っている最中で、「アルパカは中越地震で被災した山古志の人たちにとって癒やしの存在と聞いた。淡々と愛らしく冬を越すアルパカと、人間のだめな部分を対比させるような作品にしたい」と抱負を語る。
アルパカ事業の安定化を図るため、近く設立される株式会社「山古志アルパカ村」の代表を務める青木勝さん(61)は「アルパカは地域に定着しており、映画にしてもらうのはありがたい。撮影の際は空き家を提供するなど全面的にバックアップしたい」と話す。
映画は来年3月までに完成する予定。
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