住民安全ネットワークジャパン:小川誠です。
身近で見てしまったオオナマズ体験をレポートします。
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シビックコアにあるオフィスで、「長岡防災フェア」のホームページを作りながらパソコンに向かっていたそのとき。窓の外から聞きなれない、汽笛の音が聞こえてきた。
私は、ヤカンのお湯が沸騰しているような力強くも儚く頼りなさを感じるその音に、一瞬、現代という時間が止まってしまったかのような違和感を感じたながら音が鳴く方向を見た。そこには、昔の映像でしか見たことのない黒ずくめで胴長なオオナマズが地をはっているような光景があった。
もちろん、それがSLだということくらいすぐに分かる。今でこそ、あちらこちらでSLが観光客を呼び込んでいる。しかし、毎日見る我町長岡の信越線にSLの走る風景というのは過去の記憶にない。
それ以上に、新幹線や電車にはない重厚感のある鉄の塊であるSLの存在感は、私の心を現実から浮き足立たせるに十分な衝撃だった。
どこぞの公園で座して動かなければ、ただの鉄の塊。それが、一度、化石燃料が燃えさかる炉の中で、縦横無尽に駆け巡りる炎が水を沸かし蒸気の力しで走るSLは、現代に活躍する機械とは違う魅力を感じてしまう。
厳密にまで精錬された現在の鉄とは違いゴツゴツした肌触りを残し、黒色に輝く陸のオオナマズ。この次は、是非とも近くでその巨体に頬釣りをして、ちょっぴりKissしてみたいと思う愛くるしい逞しいながらも、弱さをチラつかせる私好みの奴だった。
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[特派員から送って頂いた写真]