◇製品開発や輸入業務などで収益確保
04年10月の中越地震の復興を願ってつくられた長岡市山古志地区の「アルパカ牧場」を管理しているアルパカ飼育組合が、10月1日、株式会社「山古志アルパカ村」を設立する。組合が従来通り飼育や牧場管理を行う一方で、新会社が製品開発や輸入業務などの収益事業を手がけてアルパカ事業の安定化を図るという。
アルパカ牧場は、09年11月に油夫(ゆぶ)集落にオープン。中越地震の被害に胸を痛めた米国の農場経営者が、地域復興のために山古志地区に3頭を贈ったのがきっかけだ。今年6月からは種苧原(たねすはら)集落にも分場ができ、計20頭を飼育。無料で開放している。
組合員は地域の計約15世帯で、高齢者が中心だ。アルパカの毛を使った手作りストラップのほか、地元野菜の販売もしている。県外からも観光客が訪れ、地域住民との交流や地元の活性化に貢献している。
しかし現在、組合員の収益は来場者の募金が中心で、不安定だ。同組合世話人の青木勝さん(61)は「高齢者の生きがいのためには、動いた分だけ収益にすることが大切」と考えた。そこで、本格的に毛織物の製品開発を手掛けることを決めた。ただし、輸入業務や商品管理など経済的リスクまで高齢者に負わせるわけにはいかない。そこで青木さんは「きちんと責任を持って、早い意思決定をして運営していくためには、株式会社が必要」と考えた。現在は日当制で雇っている若者に月給を出すのも目標だ。
地域住民を中心に、出資を募っている。青木さんは「山古志全体にアルパカ牧場をつくり、それぞれで特産品を売れば、地域全体の活性化になる」と期待している。
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