◇「安全」信じられない
新潟市西蒲区巻甲の洋品店「にいだや」内にある「ギャラリー野衣」で、県内外の絵本作家や写真家、イラストレーターら約60人による絵画や写真などの作品展「NO!ゲンパツ展」が開かれている。「にいだや」社長の横山作栄さん(61)は「何を感じるか、どう感じるかはその人次第。作品と対話しながら見てほしい」と話す。
同展は、横山さんの知り合いで滋賀県在住の絵本作家、市居みかさんが企画した。旧巻町(現・新潟市西蒲区)が96年、原発建設の是非を問う全国初の住民投票を実施し、原発建設計画が中止になった経緯があることから、横山さんが新潟での開催を打診した。同展は新潟のほか、東京や広島などを巡回する。
20歳のころから作曲を手がける横山さんは仕事の傍ら「たっつぁん」の名前でアーティストとしても活動している。巻原発建設反対運動では、商店街などで仲間とギターを手に原発反対をテーマに作った曲を歌った。
今回の作品展には絵画や写真、流木を使ったオブジェなど約70点が並ぶ。横山さんは「作品を通して自分の思いを広げていければ」と話す。作品にはそれぞれ作家のメッセージが添えられている。
「大地震のあと、サインに添え書きをすることにした。『うたがうまえにしんじてみろよ』って。どんな状況でも、『しんじる』ところからはじめないと、気持ちがまえに進まない気がしたから。だけど、これだけはしんじられない。『原発は安全です』」(平田昌広さん、平田景さん)
横山さんは「原発というよりもこれからの生活のあり方、どういう暮らし方をしていくべきなのかが問われている」と話す。
展示は27日まで。23日午後7時から、横山さんらによるギターの弾き語りもある。【川畑さおり】
7月22日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110722-00000158-mailo-l15