深刻な医師不足に悩む過疎地域の医療を守るための健康講座「ナイトスクール」が魚沼市内で開かれた。地域医療の充実を目指し、今年4月に小千谷市魚沼市医師会が中心になって開校した「地域医療魚沼学校」の第1弾。今後は禁煙授業のほか、病院でCTやエコー、内視鏡体験なども行う。
「ナイトスクール」は6月中旬から3回開かれた。同月下旬に魚沼市福山新田の守門克雪管理センターで開かれた講座には、住民約20人参加した。講座で、同校長で県立小出病院の布施克也院長は「医者が足りないなら自分の健康は自分で守ってほしい。そのためにはまず自分の血圧を知ることが大切」とし「貯金も大事だが、健康の貯金も大事。そして検診を受けること、主治医を持つことが大事」と強調した。
住民からは「7、8種類もの薬を飲んでいるが大丈夫か」「同じ食事をしながら血圧が高いのはなぜか」などの質問が出た。
布施院長は「医者は複数かかってもいいが、薬局は1カ所にすべきだ。薬の組み合わせによってリスクがある場合は、薬剤師から医者へ連絡が入る仕組みになっている」「血圧が高いのは体質と塩分の取りすぎが考えられる」と答えた。
また同市職員の佐藤洋子看護師は「検診を受けただけで安心しないで、悪いところがあったら必ず精密検査を受けることが大切」と呼び掛けた。
参加した橘司郎区長代理(60)は「薬は1薬局からという話は勉強になった」と感心した様子。馬場サキさん(69)は「自分の体調について謎が解けた。ナイトスクールにまた参加したい」と笑顔で話した。
同校は、小出病院に事務局を置き、魚沼、南魚沼、小千谷、十日町の4市と津南、湯沢の2町に分校を置き、医師、看護師ら医療関係者と地域住民が共に健康維持について話し合いを進めている。【神田順二】
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