デジタルアーツは、Android向けのフィルタリングアプリ「i-フィルター for Android」を7月21日より提供する。9月末まではβ版として無償で提供され、10月1日以降に正式版(有料)が登場する予定。アプリはAndroid Marketからダウンロードできる。
「i-フィルター for Android」は、Webサイトのフィルタリング機能や、アプリのダウンロード制限機能などが盛り込まれたAndroidアプリ、専用ブラウザを介したブラウジングを行うことで、有害サイトや保護者が子供に見せたくないWebサイトなどを制限できる。また、アプリの利用を限定する制御機能なども用意される。
アプリをセットすると、Androidの標準ブラウザは利用できなくなり、Android Marketでのアプリのダウンロードも制限される。いずれの設定も保護者側で解除が可能となっている。ブロック対象のWebサイトにアクセスすると、ブロックしたことが案内される。
フィルタリングの強度は年齢に応じて設定でき、67の種類のカテゴリから閲覧制限するカテゴリを選択することも可能だ。閲覧制限するカテゴリであっても、特定のサイトのみ閲覧を許可するといった設定も行える。
保護者は、Web上でAndroid端末のフィルタリング設定やアプリ制御が可能。また、ネットの利用時間を制限する「インターネットタイマー機能」なども用意されている。ブロック対象のページについて、見たい理由とともに子供がブロック解除を申請できる「ブロック解除申請」機能や、インターネット利用時間の延長申請機能なども特徴となっている
このほか、子供のインターネット利用状況も確認できる。Webサイトへの接続状況や検索単語がチェックできる。メールアドレスの登録で利用状況の通知機能などもある。
「i-フィルター for Android」はAndroid 2.2/2.3に対応し、8月初旬以降にはAndroid 2.1もサポートされる。10月1日以降に有料化されるが、利用料については検討中としている。月額課金型のサービスとなる見込みだ。
■ iPhone版も提供予定
デジタルアーツは、パソコンやテレビ(セットトップボックス)、ポータブルゲーム機、シャープの「GALAPAGOS」などへフィルタリング機能を提供している。初の国産フィルタリングソフトを1997年に発表し、ベンチャー企業ながらフィルタリングサービスでは老舗とも言える存在だ。Webフィルタリングのデータベースは3億5000万ページを超えている。
携帯電話事業者と組んでフィルタリングサービスを提供する企業がある中で、デジタルアーツは事業提携することはなかった。携帯電話関連への取り組みは、今回のAndroidスマートフォンへの参入が初めて。なお、iPhone向けのフィルタリングアプリも開発しており、現在、App Storeに申請しているという。
デジタルアーツの代表取締役社長の道具登志夫氏は、法制化などによって、出会い系サイトにおける青少年被害は減少している一方で、SNSなどの非出会い系のWebサイトを通じた被害は急増しており、インターネット環境の整備が急務とする。
また、同社経営企画室 コンシューマー担当の越智辰夫氏は、SNSやプロフ、学校裏掲示板などコミュニケーションサイトを通じた青少年被害が発生しており、被害児童の99%がモバイルからアクセスする一方で、被害児童のフィルタリング利用率はわずか1%足らずであると説明した。
スマートフォン向けフィルタリング機能の提供により、デジタルアーツはパソコン、テレビ、ポータブルゲーム機においてフィルタリングサービスを提供することになる。今後、各種サービスをパッケージ化した料金プランなども検討していく。
さらに、今秋には法人向けフィルタリングサービスの提供を予定している。
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