◇5月13~30日に提供 風評被害懸念も
福島県浅川町で高濃度の放射性セシウムを含む稲わらを与えられた肉牛が全国に出荷されていた問題で、新潟市のホテルが5月13~30日、この肉牛のサーロインステーキ200食分を一般客に提供していたことが16日、分かった。肉は残っておらず、実際にどれだけセシウムが含まれていたかは不明のまま。関係者からは風評被害を懸念する声が上がっている。
新潟市保健所によると、ステーキを提供していたのは同市中央区にある全国チェーンのホテル。横浜市の食肉処理場から長岡市の流通業者を通し浅川町の肉を仕入れた新潟市の業者から、5月11日と25日に計22・6キロを購入したという。ホテル内にはレストランがあり、そこで出されたとみられる。健康被害などの報告はないという。
一方、東京都内の食肉処理場から浅川町の牛肉を仕入れた埼玉県越谷市の業者が15日、新潟市東区の卸業者に肩ロース32・7キロを販売していたことも判明。消費者には渡っておらず、県内で保管されている。セシウムがどれだけ含まれているかについては、埼玉県が調べているという。
新潟市内のホテルにテナントとして入っているステーキハウスの関係者は「店では福島県産の牛肉は扱っていないが、風評被害でお客さんが離れてしまわないか不安。今後、張り紙などで安全を訴えていくことも検討している」と話した。【畠山哲郎、塚本恒】
7月17日朝刊
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