東日本大震災の発生から6月末までの間、岩手、宮城、福島3県でコンビニや金融機関の現金自動預払機(ATM)を狙った窃盗事件が56件(うち未遂7件)あり、被害総額が約6億8440万円に上ることが14日、警察庁のまとめで分かった。件数、金額ともに6割以上が福島県に集中。福島第1原発事故の影響で、ATMからの現金回収に時間がかかり、被害が拡大したとみられる。
昨年3~6月の同様被害はなく、震災後に急増したが、同庁は「現在、治安は落ち着いている」と強調。パトロールや検問をする警察官約750人を原発周辺地域に投入し、安全・安心の確保に力を入れている。
ATMを狙った窃盗事件のうち、福島県の被害は34件、4億7700万円。8割以上は、震災直後、避難指示区域に指定された原発から20キロ圏内で発生した。
現地の安全が確認できなかったり、コンビニのオーナーと連絡が取れなかったりして現金回収が遅れたほか、停電で防犯装置が作動しなかったことで、被害が増えたとみられる。
一方、3県では、住民らが避難して、無人となった民家や商店を狙った空き巣などの被害も昨年3~6月比1.5倍の1233件と急増した。
このうち、20キロ圏内の被害は19倍以上の194件。同庁は「警戒区域に設定され、自由に出入りできなくなった4月22日までに集中した可能性がある」と指摘。今後、住民の一時帰宅が進み、さらに被害が発覚することも予想される。
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