◇被災地で被災者たちの撮影計画
長岡市下々条町の写真家、池田哲郎さん(32)が市内の同業者らと協力し、東日本大震災で被災した宮城県七ケ浜町で、被災者を撮影し、写真を贈る計画を進めている。同町は津波により多くの家が流され、亡くなった人も少なくない。大事な家族のアルバムを失った人もいる。池田さんは「楽しい記憶を増やしていくお手伝いをしたい」と話す。【宮地佳那子】
池田さんは約10年前から人物を中心に写真を撮り始めた。04年10月の中越地震では、当時勤めていた魚沼市内で被災した。トンネルが通行止めとなって長岡市に帰れず、魚沼市内の中学校グラウンドに泊まった。不自由な生活の中、「人とのつながりを大切にしたい」と感じた。
大震災後の5月末、被災者を励ましたいと、長岡市などで市民約250人に、「できることからやろう」「絆」などと応援メッセージを書いたボードを持ってもらい、撮影した。義援金も集めた。その写真を携え、同町にある仮設住宅の集会所に張った。被災者からは「義援金だけだと顔が見えない。顔が見える支援をしてもらって良かった」などと感謝されたという。
池田さんは、今度は同町に仮設の撮影場所を設け、被災者たちを撮影し、その写真を無償で提供したいと考えている。池田さんは「家族写真や大切な物と撮りたいとか、一人一人の意向をくんで撮影したい」と話す。
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