花粉症などのアレルギー症状に関与しているタンパク質の立体構造を、京都大医学研究科の岩田想教授や島村達郎講師、小林拓也講師らのグループが解明した。副作用の少ない花粉症の薬の開発につながる成果といい、英科学誌「ネイチャー」で23日発表する。
花粉などのアレルギー症状は、花粉などの刺激で分泌されたヒスタミンが、細胞膜にある膜タンパク質H1R(H1受容体)の「鍵穴」に結合して引き起こされる。「鍵穴」をブロックして症状を抑える抗ヒスタミン薬が使われているが、他の膜タンパク質の鍵穴にも結合して眠気や不整脈などの副作用を起こすことが問題だった。
岩田教授らはH1Rを結晶化してエックス線で立体構造を解析、治療に使われているさまざまな抗ヒスタミン薬との結合性をコンピューターで計算した。H1Rに特有のアミノ酸配列からできている部分が、結合性に重要な役割を果たしていることが分かった。
島村講師は「副作用のほとんどない新世代の花粉症の薬の開発につながる」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110623-00000002-kyt-l26