◇沿線の各遺跡紹介
縄文時代の火焔(かえん)土器が出土している長岡市などの信濃川沿いを走るJR飯山線で5日、1日限りの「火焔街道号」が運行された。東京電力福島第1原発事故などの影響で福島県南相馬市から避難している約30人も一般客に交じって乗車し、火焔土器について理解を深めた。【宮地佳那子】
新潟、長岡、十日町、三条の4市と津南町でつくる「信濃川火焔街道連携協議会」と、JR東日本新潟支社が共催。火焔土器の歴史とロマンをPRし、地域活性化につなげようと、初めて企画した。
車両は、2両編成のディーゼル車「クルージングトレイン」。運行中、車内では学芸員らが沿線の各遺跡を紹介したり、縄文時代の特徴を説明した。
新潟駅を出発した街道号は飯山線の始発駅、越後川口駅(長岡市)に到着。プラットホームで出発式が催され、同市立川口小5、6年生約10人が地元の「川口あおり太鼓」を披露。1日駅長となった森民夫・同市長が歓迎のあいさつをした。地元野菜をふんだんに使ったあぐり汁も振る舞われた。
行事に協力した市民団体「飯山線友の会」の伊坂孝史(たかふみ)代表(59)は、3月12日の長野県北部地震で飯山線の線路の盛り土が崩落したことに言及。「線路が宙づりになったが早くも復旧した。全国のローカル線が廃線になる傾向にあるが、飯山線を盛り上げ、観光路線としての位置づけが生まれてほしい」と話した。
南相馬市原町区から息子2人と長岡市内で避難する林幸子さん(43)は「普段は南相馬市で働いている夫も今日は一緒。みんなで楽しんでいる」と笑顔だった。この後、列車は終点の魚沼中条駅に到着し、乗客は笹山じょうもん市を楽しんだ。
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