食の安全性が叫ばれる今の時代、自分の食べるものを自分で管理するのは賢明なはず…とベランダ菜園計画を思い立ったものの、うちって日当たりが悪いのが心配。
「植物が育つには、光・水・空気の3つが必要不可欠です。この3つが供給される条件がないと、野菜も作れないんですよ」
と教えてくれたのは、恵泉女学園大学教授で、NHK『趣味の園芸』講師として有名な藤田智さん。
「光と水と二酸化炭素は光合成に欠かせません。光合成とは植物が光のエネルギーで水と空気中の二酸化炭素から養分を作る活動のこと。自分で養分を作って体内に取り込まないと、植物は育ちません。日当たりの条件としては朝8時から夕方3時くらいまでの間で、6時間くらいは日が当たるのが理想です。ベランダは南向きがベストですが、日照時間の少ない北側で育つ野菜もありますよ。ミツバやミョウガなどは、1~2時間程度しか日が当らない場所でも大丈夫です」
おお! 日照条件が悪くても、ベランダ菜園をあきらめなくていいんですね。そのほか、野菜作りに望ましい条件ってありますか?
「風通しがいいこともポイントですね。じめじめした場所より、風通しがよくカラッとした場所の方が、害虫がつきにくいし、植物をダメにする菌も発生しにくいんですよ。それと、気温も条件のひとつです。野菜によってそれぞれ好む温度が違いますから、気をつけてくださいね。夏場と冬場ではベランダの気温もかなり異なるので、場合によっては栽培場所を室内に移動させるなど工夫するといいですよ」
なるほど。さっそく野菜作りにチャレンジしてみたいんだけど、なにせ初心者だし手間のかからないものがいいな…。何かおすすめの野菜、ないですか?(笑)
「初心者だったら、ミニトマトやピーマン、キュウリなんかがいいと思いますよ。実をつける野菜の中では割と簡単に育てられる方ですし、しかも数がとれますからね。ミニトマトだったら、1株くらいの苗で合計すると50~60個くらいはとれるんじゃないかな。収穫したぞー! って気にもなるでしょ?(笑) なかでも『アイコ』という品種は、病気に強くて育てやすいうえに、おいしいと評判です」
ほかにも、リーフレタスやサニーレタスなどの葉物野菜も初心者向けだとか。根菜類では大根やにんじん、ラディッシュなどが育てやすいそうです。初心者でもこうした定番野菜が作れると知ったら、やる気もアップしてきますね。さ、まずはベランダの掃除から始めますか!
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110531-00000004-rnijugo-ent