◇長岡の事例「大変参考に」
東日本大震災による津波で自宅が流された宮城県気仙沼市唐桑(からくわ)町舞根(もうね)地区の住民ら22人が29日、中越地震で被災した長岡市川口地域の集団移転を参考にするため、同市を視察に訪れた。住民らは舞根地区の高台への集団移転を希望しており、長岡市職員や実際に集団移転した住民らの話を熱心に聞いていた。
バスで長岡市を訪れた、舞根地区の住民らでつくる防災集団移転促進期成同盟会の畠山孝則会長(66)によれば、舞根地区にあった52世帯のうち、44世帯が津波で自宅を流された。現在集団移転を希望しているのは29世帯ある。
舞根地区の住民らは最初に、川口支所で長岡市職員から集団移転の制度概要や、中越地震で被災して集団移転した川口地域の小高集落と長岡市浦瀬町の事例について説明を受けた。住民らは個人の費用負担や集団移転先の用地の選定の経緯などについて質問した。
その後、集団移転先の一つ、長岡市西川口地区に行き、当時小高集落の地区長だった角張(かくはり)洋治さん(58)と会い、集団移転の問題点などを質問。角張さんは「集団移転して、かえって住民同士のコミュニケーションがよく取れるようになった」などと話した。
畠山会長は「東日本大震災は規模が大きいので、長岡の事例がすべてあてはまるとは思わないが、大変参考になった。気仙沼市には、長岡の事例を説明して早めに集団移転できるようにお願いしたい」と語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110530-00000085-mailo-l15