東日本大震災で受けた子供のストレスを和らげようと、福島県新地町教育委員会は23日、「テレビ会議システム」を使った心理カウンセリング事業を開始した。町立3小学校と名古屋市の支援団体に設置された端末を使い、養護教諭同士で授業中の児童の様子や対応について情報を共有した。支援団体による相談業務は6月にも始める。
同町沿岸部は津波被害が大きく、小学1、6年生姉弟も犠牲になった。町教委によると南隣の相馬、南相馬両市や県外の計71人が区域外就学制度を利用。友達が津波にのまれる場面を目撃したり、家を流された児童も多い。心理的ストレスが原因とみられる「授業中の大声」などの行動もあり、早期の対応策を検討していた。
児童の相談や異変に気付いた養護教諭や担任が、システムを使って名古屋YWCAの心理カウンセラーに連絡し、児童の相談に応じる。症状に応じて対面カウンセリングも行う。今後、児童の保護者のカウンセリングも実施したい考えだ。
町立福田小の佐藤泰子養護教諭(44)は、新地小の松本亜弓養護教諭(23)と端末を使って、児童の様子について相談。「保健室に来る児童で、家を流され、飼っていたペットがいなくなったと話す子に、どんな言葉を掛ければいいのか」など、現場の悩みを明かした。相談後、佐藤教諭は「児童の心の傷に気づけても、対処法が難しい。児童だけでなく教員の相談に乗ってもらえるのは心強い」と話した。
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