東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市で8月1日に開かれる石巻川開き祭り花火大会で、7年前に新潟県長岡市などを襲った中越地震の復興のシンボルとなった震災復興祈願花火「フェニックス」が打ち上げられる。花火大会は犠牲者の供養と復興を願って開かれるもので、フェニックスの打ち上げは長岡まつり協議会が支援を申し出た。中越地震後の長岡市民を勇気づけたフェニックスが被災者を元気づけ、復興のメッセージを届ける。
江戸時代が発祥とされる長岡まつりの花火大会は戦後、長岡空襲で犠牲になった市民らの鎮魂と平和への思いを込めた花火大会として再開された。フェニックスは中越地方に大きな爪跡を残した中越地震(平成16年10月)の翌年8月の長岡まつりで、震災犠牲者への慰霊と復興への思いを込めて打ち上げられ、以後、中越地震復興のシンボルとなっている。
石巻で打ち上げられるフェニックスは慰霊と献花の意味を込め、連続花火の後半は白一色のスターマイン、花火の中をさらに明るいフェニックス(不死鳥)がはばたく花火でクライマックスを迎える。
長岡では約3分間連続して打ち上げられるが、石巻川開き祭りでは地元の警察や消防、行政との調整があり規模は未定。フェニックスの製造と打ち上げは地元の宮城県の煙火業者が担当し、最後の不死鳥がはばたく花火だけは長岡側で製造する。資金は長岡まつり協議会が150万円から200万円を目標に集めているが、既に130万円のめどがついているという。
長岡まつり協議会会長の森民夫市長は「石巻が被災後わずか4カ月半で、鎮魂の花火大会を開くことに敬意を表する。長岡花火の歴史から応援するのは当然のこと。中越地震後、フェニックスが打ち上げられたときも涙ぐんで見る市民が大勢いた。花火の持つパワーを石巻に届け、これを機に石巻も元気を出して復興に向かっていただきたい」と話している。
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